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    金属と漆

    sae nakaiの特徴である、漆と金属の組み合わせ。
    ここでは、漆塗りの装身具をお届けする上で重要なポイントについて、深堀りしてご紹介します。

    1.金属への「焼き付け」

    漆塗りというと、木に塗りを施した器などが一般的ですが、木以外の素材に塗りを施すこともあります。

    漆を塗る基盤となる素材のことをと呼びます。胎にはさまざまなバリエーションがあり、布を用いた「乾漆」や竹を使った「藍胎」、陶磁器を基盤とする「陶胎」などが存在します。
    sae nakaiの作品の多くは、金属を胎とする「金胎」に分類されます。

    漆を金属に塗るだけではすぐに剥離してしまうため、sae nakaiでは「焼き付け」という技法を用いています。

    焼き付けとは、漆を金属に塗った後に高温で加熱することで漆を金属へ定着させる方法で、戦国時代の兜などの武具や建造物の金具などに利用されてきた伝統的な手法です。
    この工程によって漆と金属が強固に結びつき、防錆効果が得られるだけでなく、自然な漆の美しさと金属の耐久性を兼ね備えた装身具が仕上がるのです。

    2.下地について

    漆と金属をより強固につなぐ工夫として、sae nakaiの装身具は漆の塗膜に下地を施しています。

    現在は下地として、国産のコウゾを用いた手すき和紙・大竹和紙(広島県)を使用しています。手すき和紙は洋紙や機械すき和紙に比べて強度が高いため、装身具の耐久性を大きく向上させてくれます。その繊維に漆を染み込ませることで、漆の塗膜の強度を向上させているのです。

    下地を外側から直接見ることはできませんが、漆の特性を最大限に引き出すために重要な役割を担っています。